ヘルシーレター 2018年5月
ヘルシー歳時記・5月
●はしかの感染力は「最強」クラス。
ゴールデンウィークが終わり、山梨の山荘でも若葉の季節を迎えました。写真は、山荘前の桜のビフォーアフター。4月の桜、5月の若葉、季節は巡っています。これからの季節、生まれたばかりの小さなお猿さんたちが、桜の実(サクランボ風)を食べにやってきます。
大型連休のなか、はしか(麻疹)の流行が話題になっています。沖縄県を中心に、はしかの感染者が急増しています。台湾からの旅行者が感染源となり、同県内で感染が広がっているようです。
■ 症状と感染経路
はしかの原因となる麻疹ウイルスの感染力は非常に強く、ウイルスが空気中を漂って人から人へと感染します。同じ室内にいるだけで感染します。インフルエンザに比べると、その感染力は10倍と言われます。はしかに感染すると、最初はのどの痛み、結膜炎、鼻水やくしゃみといった風邪と似た症状が出てきます。2~4日後、赤いぶつぶつ、発疹が出現します。発疹が出てくる頃から、39度の高熱が出始めます。のどの痛みも強くなり、息苦しくなったり、結膜炎がひどくなったりと、かなり苦しい状態になります。3~4日後はゆっくりと回復し、発疹も消えます。はしかの特効薬はないので、解熱鎮痛薬などを使いながら体の回復を待つことになります。この経過中にさまざまな合併症がみられます。特に約6%が肺炎を合併するとされ、乳児の主な死因となります。頻度は低いものの脳炎を合併することがあり、思春期以降の主な死因となります。また、妊婦さんは重症化しやすく、流産の原因になるとの報告もあります。
■ はしかにかからないためには
はしかは、現在有効な治療方法がなく、予防する唯一の手段は「ワクチン接種」です。定期予防接種(第1期:1歳児、第2期:小学校就学前の1年間)をまだ受けていないお子さんは、かかりつけ医に相談し、早めに予防接種を受けましょう。はしかにかかったことがない方が海外渡航するときには、渡航先の流行状況を確認するとともに、ご自身のはしかの予防接種歴を確認し、2回接種していない場合、または接種既往が不明の場合には予防接種を受けることをおすすめします。1回で免疫を獲得できる確率は95%。2回接種によりほぼ100%になるといわれています。
■ ワクチンを打った方がいい人は
かつて、はしかは日本社会に定着していました。たびたび流行が起きて、すべての日本人が大人になるまでに感染していました。したがって大半の中高年(50歳以上)は、すでに感染しているものと考えられ、新たに感染する心配はないと考えられます。一方、1977年生まれ以降、はしかのワクチンが定期接種となります。これにより、はしかが日本社会から排除されはじめます。ワクチンを接種している人が多数いることで、接種していない人でも感染せずにすむようになりました。さらに、1977~1990年生まれまでの定期接種は1回のみだったので、この世代の、はしかの免疫は次第に落ちていきました。こうして、はしかに感染したこともなく、免疫も十分にないという世代が日本に生じてしまったのです。これが、しばしば発生しているはしか流行の原因です。幸い、1990年生まれ以降は2回接種が定着していますから、1977~1990年生まれ世代(20~40代)がワクチンを打てば、日本社会は本当の意味で、はしかを排除することになるのでしょう。いまの子どもたちが定期接種をしっかり受けることはもちろんですが、はしかに感染したことがなく、ワクチンを2回接種できていない20~40代の人は、注意が必要です。
大型連休のなか、はしか(麻疹)の流行が話題になっています。沖縄県を中心に、はしかの感染者が急増しています。台湾からの旅行者が感染源となり、同県内で感染が広がっているようです。
■ 症状と感染経路
はしかの原因となる麻疹ウイルスの感染力は非常に強く、ウイルスが空気中を漂って人から人へと感染します。同じ室内にいるだけで感染します。インフルエンザに比べると、その感染力は10倍と言われます。はしかに感染すると、最初はのどの痛み、結膜炎、鼻水やくしゃみといった風邪と似た症状が出てきます。2~4日後、赤いぶつぶつ、発疹が出現します。発疹が出てくる頃から、39度の高熱が出始めます。のどの痛みも強くなり、息苦しくなったり、結膜炎がひどくなったりと、かなり苦しい状態になります。3~4日後はゆっくりと回復し、発疹も消えます。はしかの特効薬はないので、解熱鎮痛薬などを使いながら体の回復を待つことになります。この経過中にさまざまな合併症がみられます。特に約6%が肺炎を合併するとされ、乳児の主な死因となります。頻度は低いものの脳炎を合併することがあり、思春期以降の主な死因となります。また、妊婦さんは重症化しやすく、流産の原因になるとの報告もあります。
■ はしかにかからないためには
はしかは、現在有効な治療方法がなく、予防する唯一の手段は「ワクチン接種」です。定期予防接種(第1期:1歳児、第2期:小学校就学前の1年間)をまだ受けていないお子さんは、かかりつけ医に相談し、早めに予防接種を受けましょう。はしかにかかったことがない方が海外渡航するときには、渡航先の流行状況を確認するとともに、ご自身のはしかの予防接種歴を確認し、2回接種していない場合、または接種既往が不明の場合には予防接種を受けることをおすすめします。1回で免疫を獲得できる確率は95%。2回接種によりほぼ100%になるといわれています。
■ ワクチンを打った方がいい人は
かつて、はしかは日本社会に定着していました。たびたび流行が起きて、すべての日本人が大人になるまでに感染していました。したがって大半の中高年(50歳以上)は、すでに感染しているものと考えられ、新たに感染する心配はないと考えられます。一方、1977年生まれ以降、はしかのワクチンが定期接種となります。これにより、はしかが日本社会から排除されはじめます。ワクチンを接種している人が多数いることで、接種していない人でも感染せずにすむようになりました。さらに、1977~1990年生まれまでの定期接種は1回のみだったので、この世代の、はしかの免疫は次第に落ちていきました。こうして、はしかに感染したこともなく、免疫も十分にないという世代が日本に生じてしまったのです。これが、しばしば発生しているはしか流行の原因です。幸い、1990年生まれ以降は2回接種が定着していますから、1977~1990年生まれ世代(20~40代)がワクチンを打てば、日本社会は本当の意味で、はしかを排除することになるのでしょう。いまの子どもたちが定期接種をしっかり受けることはもちろんですが、はしかに感染したことがなく、ワクチンを2回接種できていない20~40代の人は、注意が必要です。
●ブロッコリーは蕾も茎も葉も、全部食べられます。
高騰を続けていた野菜類が天候と共に落ち着きを見せてきました。主婦としてはうれしいかぎりです。そんな中、ブロッコリーだけは安定価格で、おいしくいただくことができます。
本家のヨーロッパでも一般に広まったのは第2次大戦後のことで、日本の家庭に普及したのはさらに最近です。ブロッコリーは、野生キャベツの変種でカリフラワーと同じ種類の野菜で、「はなやさい」と総称され、秋から冬にかけて旬を迎えます。アメリカなどからも輸入されており、国内でも収穫時期をずらしながら各地で栽培されているので、通年安定して流通しています。
栄養面では、ビタミンA(β-カロテン)、C、E、B群、葉酸などを豊富に含んでいます。特にビタミンCは、レモンの約2倍含まれています。その他にも、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルや食物繊維などの栄養成分が含まれています。
一般的に食べるのは、花蕾という、つぼみの集まった部分ですが、茎や葉の部分にも栄養があり、おいしく食べられるので捨てずに食べたいものです。ブロッコリーは、下ゆでをするのが一般的ですが、ゆで過ぎるとビタミンCなどの水溶性の栄養成分の損失が多くなるので、歯ごたえが残る程度にゆでるようにしましょう。おすすめはレンジでチンと蒸す方法。シリコン容器に入れて、1分ほど茹でれば歯ごたえも栄養価も上々です。 ブロッコリーを保存する場合は、新聞紙でつぼみを包んで全体をラップで包みます。軸を下にして立てて冷蔵庫の野菜室で保存します(保存期間は2日間)。それ以上、長期に保存したいときは、使いやすいように枝を切って、軽く蒸して冷凍室へ。
先日、テレビのダッシュ村でブロッコリーを特集していました。収穫したブロッコリーをいろいろ料理に使うのですが、レシピの一つを簡単にご紹介します。ブロッコリーを半分ほど細かく切って(茎も使います)、通常のハンバーグに混ぜます。ブロッコリーの量が多すぎると思えるほどでも大丈夫。グリーンの色鮮やかなハンバーグができました。茎のシャリシャリ感がたまりません。一度、お試しください。
本家のヨーロッパでも一般に広まったのは第2次大戦後のことで、日本の家庭に普及したのはさらに最近です。ブロッコリーは、野生キャベツの変種でカリフラワーと同じ種類の野菜で、「はなやさい」と総称され、秋から冬にかけて旬を迎えます。アメリカなどからも輸入されており、国内でも収穫時期をずらしながら各地で栽培されているので、通年安定して流通しています。
栄養面では、ビタミンA(β-カロテン)、C、E、B群、葉酸などを豊富に含んでいます。特にビタミンCは、レモンの約2倍含まれています。その他にも、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルや食物繊維などの栄養成分が含まれています。
一般的に食べるのは、花蕾という、つぼみの集まった部分ですが、茎や葉の部分にも栄養があり、おいしく食べられるので捨てずに食べたいものです。ブロッコリーは、下ゆでをするのが一般的ですが、ゆで過ぎるとビタミンCなどの水溶性の栄養成分の損失が多くなるので、歯ごたえが残る程度にゆでるようにしましょう。おすすめはレンジでチンと蒸す方法。シリコン容器に入れて、1分ほど茹でれば歯ごたえも栄養価も上々です。 ブロッコリーを保存する場合は、新聞紙でつぼみを包んで全体をラップで包みます。軸を下にして立てて冷蔵庫の野菜室で保存します(保存期間は2日間)。それ以上、長期に保存したいときは、使いやすいように枝を切って、軽く蒸して冷凍室へ。
先日、テレビのダッシュ村でブロッコリーを特集していました。収穫したブロッコリーをいろいろ料理に使うのですが、レシピの一つを簡単にご紹介します。ブロッコリーを半分ほど細かく切って(茎も使います)、通常のハンバーグに混ぜます。ブロッコリーの量が多すぎると思えるほどでも大丈夫。グリーンの色鮮やかなハンバーグができました。茎のシャリシャリ感がたまりません。一度、お試しください。
(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.169 May 2018
Healthy Letter from Tomiyo Vol.169 May 2018