ヘルシーレター 2021年2月
ヘルシー歳時記・2月
●パンデミックから命を守る。
新型コロナウイルスの世界全体の感染者が1月27日累計で1億人を超えました。人類の約78人に1人が感染したことになります。死者も215万人を超えています。緊急事態宣言が発令されてから3週間。2月7日の解除が危ぶまれ延長が検討されています。新規感染者は確かに減少傾向が見られますが、医療の逼迫度は変わりません。ワクチン接種の課題、オリンピックの開催有無など、2021年の春には難題が山積みされています。
そうしたなか、日本の少子化に歯止めがかからなくなっています。2020年の出生数は2019年を約17.000人下回り、85万人を割り込む見通しです。統計を始めた1899年以降で最少となります。新型コロナウイルスへの感染が拡大する中、妊娠の届け出件数は前年を下回って、今年2021年は80万人を割り込むとの見方も出ています。
コロナ禍で非正規雇用の女性が職を失うなどの影響が出ており、経済的に苦しい若者が結婚や妊娠をあきらめる事例が発生しています。さらに逼迫している医療の現場で産科専門病院などは、経営が危機的な状況になりつつあります。
日本産婦人科医会は新型コロナウイルスに関して「妊娠中に感染する割合は一般の人に比べ、低い。妊婦が重症化することは少なく、新生児への感染も国内では報告されていない」との見解をまとめました。とはいえ、現実には、産科病棟の縮小から転院を余儀なくされたり、受診できない妊婦さんも出てきています。早急に若い世代への経済支援を含め、少子化対策が急務です。日本は今回のコロナ禍で多大な借金を抱えました。国債の乱発でこれからの若い世代が覆う負荷は想像を絶するものです。
東京都は子どもの出生時に公的保険から原則42万円支給される出産育児一時金に新年度から都独自の支援金10万円を上乗せする方針を固めました。都内での出産費用は全国で最も高額で平均約62万円(2016年度)、私立産院などでは100万円を超すケースも多々見られます。全国平均は約51万円です。費用面での負担を軽減する目的の支援金ですが、焼け石に水のような現状です。
とにかく、新型コロナウイルスが一刻も早く、落ち着きますように。「新しい生活様式」が定着しつつも、子どもたちから笑顔を奪わないようにしてほしい。やさしい心を忘れないでいてほしいと願います。
世の中はコロナでも自然はきちんと巡ります。写真は東京・荻窪の観泉寺の高白梅、春は近いのですが、山梨の山荘はまだ雪景色です。
メディカルアドバイザー 松村富代
おいしいレシピ・2月
●豆パワーで元気に!
今年はお寺での節分豆まきが中止と聞きますが、ご自宅で豆まきはできたでしょうか?春を迎えるにあたり、霊力があるとされる豆をまくことで邪気(疫病や災害)を追い払い、福を呼び込むと伝えられる節分の行事ですが、私も豆まきして、一日も早く新型コロナが退散してくれるのを祈りました。
この節分の日にはイワシや恵方巻きを食べる慣習がありますが、豆まきに使う大豆(落花生の地域もありますが)は、歳の数といわず、節分以外にも沢山食べたい優良食材です。圧力鍋があれば、乾燥大豆から茹でると大変美味しいですが、水煮大豆はとても便利。気軽に使えるように私もストックしています。立春といえ、まだまだ寒い日が続きますので、暖かいスープや煮込みに入れて豆パワーを取り入れてみませんか。
写真(左)は大豆と野菜いっぱいのポークカレーです。オイルでニンニクと生姜、野菜に続き豚肉を炒め、カレー粉と潰した水煮トマトを加えてさらに炒めた後、大豆、固形スープと水、ヨーグルトを少し加えて煮込みました。隠し味にハチミツとウスターソース。塩胡椒とガラムマサラを加え仕上げました。大豆自体は味が淡白ですが、カレーなどのスパイスと合わせることでモリモリ食べられます。豚ひき肉と大豆と野菜でドライカレーもおすすめ。スパイスと大豆パワーで免疫力アップさせたいところです。
写真(右)は大豆と野菜とチキンのミネストローネです。鶏肉の代わりにウインナーやベーコンでもよく作ります。こちらはみじん切りのニンニク、1.5cm角に切った鶏肉と野菜(玉ねぎ、人参、セロリ、じゃがいも)を炒め、潰したトマト水煮、固形スープと水、ローリエで煮て塩胡椒で調味したものです。たっぷり作り置きしてもよし。この日はイワシのパン粉焼き(チーズがけ)、サラダとパンの洋風献立でした。フライ物と合わせてもいいですね。
フードコーディネーター 青木幹根子
Healthy Letter from Tomiyo & Mineko Vol.202 February 2021