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新型コロナウイルスに対抗するワクチン接種が始まりました。まずは医療従事者に先行接種という段階です。ワクチンの順調な供給にはEUとの兼ね合いもあり、争奪戦が予想されます。一般の人々にワクチンが回ってくるのはまだ先のことのようです。

新型コロナウイルスは、多くの人たちの生活を変え、心情にも変化をもたらしました。生活リズムが乱れた人がいれば、気持ちが塞ぎ込んで何もする気が起きない、という人もいます。心身の不具合は、免疫力の低下にも繋がります。気分が沈んで消極的であると、ウイルスなどに対する人間自身がもつ抵抗力、すなわち免疫能が低下することはよく知られています。逆に言うと笑いにあふれ、積極的な姿勢をもつ人の免疫能は高くなっているのです。

免疫力とは、私たちの体の組織をあらゆる害敵から守る防衛軍です。自然免疫とは、体にもともと備わる防御力で、病原体や異物に立ち向かう前線部隊です。最前線は、皮膚や口腔内の粘膜、目の角膜などにある、唾液や気道粘液、涙など。これらのバリアを突破した外敵に対しては白血球が、敵を直接食べたり殺菌性物質を出したりして応戦します。一方獲得免疫とは、病原体と戦いながら、敵の情報を記憶し、同じ病原体の次なる侵入に備えるしくみです。病原体が持つ「抗原」と呼ばれる特有の成分を読み取り、その病原体に合わせていわばオーダーメイドの武器である「抗体」を作ります。ワクチンがその代表格です。

免疫は、日中の活動中に高まり、夜になると低下します。免疫力を高めるためには、決まった時刻に起きて食事を摂り、しっかりと体を動かすこと。活動と休養という一定のリズムを保つことが大切なのです。しかし外出自粛やテレワークにより生活のリズムが崩れ、朝寝坊や夜更かしから抜けられない人が増えました。さらに「コロナが怖い」と、家から一歩も出ず、まさに不活動に陥る高齢者もたくさんいます。激しすぎる運動は逆に免疫力の低下をもたらすこともわかっています。睡眠不足や精神的ストレスも、免疫力を落とす大きな要因のひとつです。

（免疫力アップへの道）

東京の桜の開花は3月下旬。山梨は四月に入ってから。こちらの写真は一足先に河津桜です。お雛様とともに春をお届けします。