ヘルシーレター 2020年8月
ヘルシー歳時記・8月
●生き生きと健康で暮らすために (8)
- 後期高齢者医療制度
平成20年4月より、従来の老人保健制度が廃止され、後期高齢者医療制度が創設されました。これにより75歳以上のすべての方(一定の障害のある場合は65歳以上)が、お住まいの都道府県の後期高齢者医療制度に加入することになりました。
今まで多くの高齢者が加入していた国民健康保険は、市町村ごとに運営されていましたが、後期高齢者医療制度は、都道府県ごとにすべての市区町村が合同で設立した後期高齢者医療広域連合という組織が運営しています。これは、今後も大きく伸びると見込まれている高齢者の医療費をまかなうためには、より多くの高齢者から保険料を徴収し、その使い道を一元的に管理することが必要だからです。
後期高齢者医療制度の財源構成は、患者が医療機関等で支払う自己負担分を除き、現役世代からの支援金(国保や被用者保険者からの負担で4割)及び公費(国・都・区市町村の負担が5割)のほか、被保険者からの保険料(約1割)となっています。このうち公費については国・都・区市町村が4対1対1の割合で負担しています。
- 後期高齢者医療被保険者証
人生100年時代、後期高齢者医療被保険者証は人生の四分の一を使う保険証です。
東京都では令和2年8月1日から、現行の大きめの保険証(青竹色)から、カードサイズ(オレンジ色)の新保険証に変更になりました。後期高齢者医療制度に加入した人には、家族単位の健康保険と異なり、一人1枚の被保険者証が発行されるので、医療機関などに被保険者証を提示します。医療機関で支払う医療費の一部負担金の割合は1割又は3割です。一部負担金の割合は、前年の所得が確定した後、毎年8月1日に見直されます。
保険料は2年に一度見直されます。この4月に令和2・3年度の保険料率が変わりました。保険料は、均等割り額44,100円+所得割額(前年度所得×8.72%)で限度額は年額64万円です。所得の低い方を対象にして保険料の軽減がありますが、今後、医療費の増大が見込まれるので相対的には負担が増えることになるでしょう。
一部負担金は一般1割、現役並み所得3割です。保険料は原則として年金引き落としによる特別徴収です。国民健康保険との違いがわかりにくいかもしれませんが、入院した時などの高額療養費制度等がありますので、必ず、お住いの市区町村の担当窓口に問い合わせをしてください。制度については、行政の広報などで詳しいお知らせが発行されますが、電話での問い合わせがよいようです。
次回は「高齢者の住まい」について考えます。写真は夏の南アルプス。ほんの少し、夏の風情をお届けします。
●熱中症に気をつけて水分補給。
「2020年、本来なら東京オリンピックで盛り上がっているはずの夏でした。すでに半年以上続いている新型コロナとの闘い、終息の道はまだまだ見えません。むしろ第2波とも呼べる感染者の増加。経済と感染予防、アクセルとブレーキのような社会情勢で、私たち個人でできることにも限りがあるように思えます。
そんな中、長かった梅雨がようやく終わり本格的な夏の到来です。熱中症との関係も話題になっています。新型コロナは確かに怖い!高齢者や既往症を持った人は特に注意が必要です。でも熱中症は新型コロナより死亡率が高く、怖い夏の病気です。コロナ感染はどんなに予防をしていても感染してしまうことも。でも熱中症は確実に自己予防できるのです。今、逼迫しつつある医療機関の窓口を少しでも緩和させるために自己管理できることを始めましょう。
標準的な環境や活動で成人が1日に必要な水分量は2~2.5リットル。水分摂取というと、飲料水などの液体を考えがちですが、1日に摂取する水分の約半分が食物からです。つまり日々の食事。季節を問わず、脱水にならないためには食事をちゃんと摂ることが大切なのです。
熱中症にかかりやすい人は、高齢者や既往症を持った人、一人暮らしの人、朝ご飯を食べない人、我慢しすぎてしまうおとなしい人、などなど。麦茶はカフェインもなく子どもたちにも良いのですが塩分がないので食品などで補う必要があります。もちろんビール・アルコールは水分補給の役にはなりません。
熱中症対策に有効な食べ物は梅干し(塩分とミネラル、クエン酸などで疲労回復の効果あり)、すいか(90%が水分でカリウムが豊富。塩をかけて食べることで塩分摂取に一石二鳥)、バナナ(体内吸収速度の異なる各種糖質がバランスよく含まれエネルギー補給が長時間持続する)。
水分補給はこまめに行うこと。胃に入った水分は小腸から吸収され血液中に取り込まれるのですが、一度に吸収できる量は130㏄程度、吸収に30分以上かかります。そのため180~360㏄程度をこまめに摂るのが効果的。お年寄りは時間を決めて飲むのもおすすめです。写真は熱中症対策グッズです。
そんな中、長かった梅雨がようやく終わり本格的な夏の到来です。熱中症との関係も話題になっています。新型コロナは確かに怖い!高齢者や既往症を持った人は特に注意が必要です。でも熱中症は新型コロナより死亡率が高く、怖い夏の病気です。コロナ感染はどんなに予防をしていても感染してしまうことも。でも熱中症は確実に自己予防できるのです。今、逼迫しつつある医療機関の窓口を少しでも緩和させるために自己管理できることを始めましょう。
標準的な環境や活動で成人が1日に必要な水分量は2~2.5リットル。水分摂取というと、飲料水などの液体を考えがちですが、1日に摂取する水分の約半分が食物からです。つまり日々の食事。季節を問わず、脱水にならないためには食事をちゃんと摂ることが大切なのです。
熱中症にかかりやすい人は、高齢者や既往症を持った人、一人暮らしの人、朝ご飯を食べない人、我慢しすぎてしまうおとなしい人、などなど。麦茶はカフェインもなく子どもたちにも良いのですが塩分がないので食品などで補う必要があります。もちろんビール・アルコールは水分補給の役にはなりません。
熱中症対策に有効な食べ物は梅干し(塩分とミネラル、クエン酸などで疲労回復の効果あり)、すいか(90%が水分でカリウムが豊富。塩をかけて食べることで塩分摂取に一石二鳥)、バナナ(体内吸収速度の異なる各種糖質がバランスよく含まれエネルギー補給が長時間持続する)。
水分補給はこまめに行うこと。胃に入った水分は小腸から吸収され血液中に取り込まれるのですが、一度に吸収できる量は130㏄程度、吸収に30分以上かかります。そのため180~360㏄程度をこまめに摂るのが効果的。お年寄りは時間を決めて飲むのもおすすめです。写真は熱中症対策グッズです。
(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.196 August 2020
Healthy Letter from Tomiyo Vol.196 August 2020